ナリルチン

「ナリルチン」とは?

一次代謝産物と二次代謝産物

植物は光合成してまずデンプンを作ります。
このデンプンが栄養となって植物が成長していきます。
これを「一次代謝産物」といいます。

一次代謝産物であるデンプンが無くなってしまうと、植物は維持も成長もできなくなり、やがて枯れてしまいます。
植物にとって一次代謝産物の有無は直接生存に関与します。

この一次代謝産物を合成するために植物はどんどん光合成するのです。

次に、植物自身の維持・成長ために必要以上のデンプンが合成されると、今度は自分自身を守ったり繁殖したりするために、必要性に合わせてそのデンプンをいろいろなものに加工します。

虫や動物に食べられないための「毒」や、子孫の繁殖のために虫を寄せ集めるための「香り」などといった素材へと作り替えていきます。

このように一次代謝産物であるデンプンを利用・加工して作られるものを「二次代謝産物」といい、これらを総称して「フラボノイド」といいます。


フラボノイドの種類

●カテキン

お茶に多く含まれていることが知られています。
植物の体内に侵入してきた細菌やウィルスをやっつける働き(殺菌作用)があります。
人間がこのカテキンを摂取すれば、殺菌作用・血中コレステロールを低下させる・高血圧の予防といった効果があります。

●アントシアニン

ブドウやブルーベリーなどの赤紫色した色素成分で、動物たちに見つかりやすいように目立つ色をしています。
動物たちに実を食べてもらって、種を遠くまで運んでもらうためです。
人間がこのアントシアニンを摂取すれば、肝機能の向上を助けたり、疲れ目解消などにも効果があると言われています。

●タンニン

お茶や赤ワイン・柿・バナナに含まれている渋味成分です。
あの渋柿の渋味はこのタンニンによるものです。
渋柿を干すことで甘くなるのは、タンニンが分解されて糖分だけが残るからです。
バナナは、収穫時は緑色をしていますが、追熟させることによって黄色くなります。
追熟させることによって、バナナも干し柿と同様にタンニンを分解させて甘味だけを残すのです。
先のアントシアニンとは逆に、タンニンは動物たちに食べられないように、渋味成分を備えています。
カテキンと同様に、タンニンには殺菌効果があります。

●イソフラボン

マメ類に多く含まれています。
植物の成長に必要な窒素を獲得しやすくするために、土の中の窒素固定根粒菌を捕まえる働きがあります。
窒素固定根粒菌と共生することで、栄養の少ない土地でもマメ科は育つのです。
我々がよく耳にする「大豆イソフラボン」ですが、これもイソフラボンの一つです。
がんリスクの抑制・婦人科疾患の軽減・骨粗しょう症といった効果が認められています。

などがありますが・・・
その他にもう一つ私たちにとって有効なフラボノイドがあります。
それが「ナリルチン」です。

ナリルチンの効果と効能

じゃばらには「花粉症抑制に効果がある」ことが、様々な多くの研究機関で確認されています。

じゃばらの花粉症抑制効果

ではなぜ、じゃばらが花粉症抑制に効果があるのでしょうか?

花粉症とヒスタミン

まず、花粉症について見てみましょう。

私たちの体は、体内に侵入した花粉等の異物を体外に排出しようとする働きを持っています。
この働きが、くしゃみや鼻水・涙といった症状です。

これらの症状を引き起こしているのが、「ヒスタミン」と呼ばれている物質です。

よく花粉症の薬のCMを見ていると、いかにも「ヒスタミン」が悪者のようなイメージが湧いてきてしまいます。
しかし、もし「ヒスタミン」がなければ、くしゃみや鼻水・涙といった症状が起こらず、異物は体内にとどまったままになってしまいます。
だから、「ヒスタミン」は体を維持していくためには大事な物質なのです。

問題なのは、体内に侵入してきた異物に対して過剰に反応し、ヒスタミンが異常放出してしまうことなのです。

ヒスタミンの異常放出によるアレルギー

なぜヒスタミンが異常放出してしまうようになってしまうのか?

異物が体内に侵入すると、その異物の量に応じてヒスタミンを放出します。

だが、一度に大量の花粉などの異物が目や鼻や口などから体内に侵入すると、それを体外に排出しようとしていっぺんに大量のヒスタミンを生成して放出します。

これを体が覚えてしまうと、今度は少量の花粉の侵入だったとしても、「この花粉は大量に体に入ってくるぞ!」と身体が身構えてしまい、侵入してきた花粉の量よりもはるかに大量のヒスタミンを一気に生成してしまいます。
これが花粉に対するヒスタミン異常放出の原因です。

ヒスタミンが異常放出されると、くしゃみ・鼻水・涙が止まらなくなってしまいます。

これが「アレルギー反応」とよばれる症状です。

ヒスタミン異常放出抑制物質「ナリルチン」

近年になって、この「アレルギー反応」を引き起こす「ヒスタミン異常放出」を抑制する物質が発見されました。

それがフラボノイドの一つである「ナリルチン」とよばれる物質です。

ナリルチンは、じゃばらがなぜ花粉症に効果的なのかを調べていた際に見つかった物質です。

ナリルチンとじゃばら

桁違いのナリルチン含有量

この「ナリルチン」が他の柑橘類に比べて桁違いに含まれているのが「じゃばら」なのです。

どれくらい「桁違い」なのかというと・・・・・・

【柑橘類のナリルチン含有量(mg/個)】

種類

含有量(mg)

ダイダイ

0

ゆず

0

すだち

16

温州みかん

46

グレープフルーツ

194

いよかん

224

じゃばら

991

【日本じゃばら普及協会スーパーフラボノイド「ナリルチン」について (jabarakyoukai.com)】より


ナリルチンは部位に関係なく効果的

ナリルチンはヒスタミン異常放出を抑制する効果があることがわかっています。
だから、くしゃみや鼻水・涙といったヒスタミン異常放出によるアレルギー症状に対して、口・鼻・目といった部位に関係なく効果があるのです。

じゃばらには花粉症抑制に効果があるというのはこのためです。


じゃばらは薬ではありません

ただし、もちろん効果には個人差があります。

薬ではないので、「花粉症が完治した」とまではいかないとしても・・・

  • 花粉症の薬を飲む回数や量が減った
  • 例年よりも花粉の症状がマシになった

との声もたくさん聞こえてくるので、試してみる価値はあるかもしれません。

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