金利上昇が招く日本の経済崩壊


金利とは

アパートの一室を借りたら家賃を払う。
同じように、お金を借りるにはお金がかかる。
これが「金利」である。

金利とは、元金にかかる割合のこと。
例えば、金利10パーセントであれば、借りた1万円に対してその10パーセントの1000円が元金に上乗せされるので、1万1000円を返済しなくてはならない。
一般的に、金利の割合は「年率」をさす。
上記の例でいえば、貸す側としては、1年後には貸した額の10パーセントを上乗せして返済してくださいね、ということであり、借りる側としては、借りた額の10パーセント上乗せしてお返しするのでお金を貸してください、ということである。。

利子と利息

金利とは、先ほど簡単に説明したとおり、元金に対する割合のことを指すが、これを受け取る側と支払う側がある。
金利を受け取る側が「利息」、支払う側が「利子」である。

アパートの家賃が「金利」、入居者が支払う家賃が「利子」、大家が受け取る家賃が「利息」と理解しておけばいい。

金利の設定基準

先ほどの例を再利用すれば・・・
一般的に、家賃が低ければアパートの入居者は増え退去者は減るが、家賃が高ければ入居者は減り退去者は増える。
同様に、金利が低ければ支払う利子の負担が軽いのでお金を借りる人が増えるが、金利が高ければ支払う利子の負担が重くなるのでお金を借りる人が減る。

家賃設定の基準は、いかに利益を増やすか(=空室を埋めるか)である。
欲張って家賃を上げたら(=金利上昇)入居者は逃げてしまうし、家賃を下げれば(=金利下降)利益がない。

そこで大家と入居者との家賃(金利)のバランスが大事になってくる。
入居者が過負荷にならないように、大家もしっかりと利益が出るような家賃設定が大事である。
この金利バランスを調整するのが「日本銀行(日銀)」のもっとも大事な仕事の一つである。

なぜ日銀には金利を設定する権利を有しているのか

2025年12月、金融政策決定会合で日銀は0.5%から0.75%、0.25%の利上げを決定した。
そもそも日銀金融政策決定会合とは何か?
日本銀行が金融政策の方向性や政策金利の上げ下げなどを議論し、決定する会議のことである。
年8回、それぞれ2日間にわたって開催され、この会合は1998年1月に新日本銀行法に基づき発足し、公平性と透明性の確保を理念としている。
この会合には、総裁、2名の副総裁、6名の審議委員からなる計9名の政策委員が参加し、多数決で議決を行っている。
財務省や内閣府などの政府関係者も参加して意見を述べることが認められているが、議決権はない。

日銀のたった9名によって日本の経済の方向性が決められているのである。

そこで日本の紙幣をよく見てほしい。

中央上部にはっきりと「日本銀行券」と明記されている。
つまり日本の紙幣は日本銀行の所有物なのである。

アパートの所有者が大家であるように、紙幣の所有者は日銀なのである。
大家が家賃を自由に設定できるように、日銀は金利を自由に決めることができるのである。

どのようなタイミングで金利は変動するのか?

10部屋のアパートに20人の入居希望者がいるとする。
そのときは、家賃を高く設定しても借り手はいる。
これが「好景気」の状況である。
好景気の時は金利が上昇傾向になる。

逆に、10部屋あったとしても5人しか入居希望者がいないときはどうなるのか?
家賃を低く設定してでも入居者を増やそうとする。
これが「不景気」の状況である。
つまり不景気の時は金利は下降傾向になる。

これが一般的な金利変動のタイミングである。

景気が良ければ・・・
金利が高くてもお金を借りたい。
貸す側も返済不能になるリスクは少ない。
だから金利が上昇する。

景気が悪ければ・・・
金利が高ければお金を借りにくい。
貸す側も返済不能になるリスクが大きくなる。
だから金利が下降する。

景気が良ければお金が市中で循環するが、景気が悪いとお金が循環せずに滞ってしまう。

金利を上げるか下げるかによって、市中でのお金の循環速度が変わってくるのである。

金利が景気の指標であるともいえる。

特殊な金利変動のタイミング。

先ほどは「一般的な」金利変動のタイミングを説明したが、もうひとつ、特殊な金利変動のタイミングが存在する。
これは、先ほどからの例えでいうならば、アパートが空室だらけなのにもかかわらず、家賃が値上がりするパターンである。
ちょっと常識では考えられないパターンといえる。

どういうことか?
それは、高い家賃を支払わないとアパートの部屋を貸さないよ、というケースである。

例えば、10部屋あるアパートが5部屋しか埋まらなかったとする。
しかし大家としては10部屋分の家賃収入が欲しい。
そのような時どうするかというと、家賃を倍にしてしまうのである。
そうすれば5部屋でも10部屋分の家賃収入を得ることができる。

不景気から悪化して不況となり、さらに悪化して大不況になると、貸したお金が返ってこない(回収不能)リスクがあるので、金利を上げるのである。
貸したお金を早めに回収したいので、本来であれば金利(年利)10パーセントのところ、半年で10パーセントということになれば、実質年利20パーセントということになる。

アパートを借りる側も家賃を滞納してしまうリスクがあるし、アパートを貸す側も夜逃げされるリスクがある。

市中にお金が回っていない状況、あるいは将来の見通しが見えない状況にあるときは、金利が上昇傾向になるのである。

金利が高くてもお金を借りなければならないケースとは・・・

一般的には、家賃が高くなれば入居者は減り退去者が増えるという話をしたが、それでも入居希望者が存在するのである。
それはどのような人か?
他に行く当てのない人である。

金利が高くてもお金を借りなければならない人がいる。
それはどのような人か?
借金を抱えている人である。


お金を返すためにお金を借りるのである。

日銀の金利変動

2025年12月、日銀(日本銀行)は金利を0.5パーセントから0.75パーセント、すなわち0.25パーセント上げた。
この数字だけを見れば、「たったの0.25パーセント上げただけではないか」「大した上昇でもないな」と思ってしまうが、それは大きな勘違いである。
0.5パーセントから0.75パーセントに上げたということは、1.5倍上昇させたということである。
ということは、お金を借りる側としてはそれまでの1.5倍の負担を強いられるということなのである。

これで今まで以上にお金を借りにくくなったというわけである。

国の借金1300兆円超え

国の借金1311兆421億円、国民1人あたり1085万円…初めて1300兆円を突破 : 読売新聞
日本銀行の国債保有残高は、2025年8月20日現在でのデータによると、国債の過半を保有しており、具体的には564.8兆円に達している。
日本銀行は、国債の発行総額の約52%を保有しており、保険会社や年金基金が20%、預金取扱機関が10%、海外が6.4%を保有している。
これらのデータは、日本銀行の金融政策運営の透明性を高めるために定期的に公開されている。
国の税収、83.7兆円 過去最高―来年度予算案:時事ドットコム
2026年度予算案決定、過去最高122兆円 国債費31兆円 - 日本経済新聞
122兆円の予算に対し、税収は83.7兆円、不足分にあてる新規国債が29.5兆円。
この122兆円の中の国債費31兆円とは、国債の返済や利子にあてるお金である。
つまり、国債の返済や利子にあてるお金を工面するために新たに国債を新規で発行しているのである。
借金を借金で返済しているというのが日本の経済事情である。

先ほど「金利が高くてもお金を借りなければならない人がいる。それはどのような人か?借金を抱えている人である」と説明したが、それは誰を指すのか?
ほかでもない、日本である。

日銀が金利上昇させた背景は・・・
日本は「(金利を上げて)これまでよりも1.5倍利子を多く支払うからお金を貸してください」といっているのである。

円安の理由

アメリカの基準金利は2025年12月時点で3.75パーセント。
対して日本は0.75パーセント。
例えば1億円をアメリカに預ければ1億375万円になって返ってくる。
対して日本では1億円を預けても1億75万円にしかならない。
どちらに預けたほうが得かといえば、当然アメリカである。
投資家としては、「円を売ってドルを買ったほうが得だ」となる。
これが円安になる理由である。

円安になれば、原油や食料等の輸入品が高くなる。
これが日本の現在の景気悪化の最大要因である。

そこで円安の対策として、少しでも多くの円を買ってもらう(=日本にお金を預けてもらう)ために、日銀は金利を上げたのである。

過去最高の税収の欺瞞

国の税収、83.7兆円 過去最高―来年度予算案:時事ドットコム
税収額というのは、どれくらい世の中にお金が回っているかを見る指標となる。

税とは何に課せられるものか?
簡単に言うと、お金を動かした時や所有物に課せられるものである。
例えば、お金を使ったときには消費税・酒税・たばこ税等々が課せられる。
お金をあげたときには贈与税、遺産を渡した時には相続税。
お金を儲けたときには所得税。
不動産を持っていれば固定資産税。

つまり税収を見れば、世の中でどれくらいお金が動いたのか、あるいは資産がどれくらいあるのかを推測することができるのである。

ということは、過去最高の税収があったということは、世の中のお金が過去最高に動いたからである。

景気が良いとお金が回りやすい。
お金が回るというのは、お金が動くということ。
お金が動くということは、それだけ税収が増えるということ。
税収が増えているということは、お金が回っていること。
お金が回っているということは景気が良いということ。
・・・のはずである。

しかし多くの人々は景気が良いとは実感していない。
まず第一に物価の異常な上昇である。

この物価上昇の最大の要因こそ、「円安」である。

円安で最も打撃を受けるものこそ、「原油」である。

原油高騰によって電気代やガス代、ガソリン代が上昇し、物を作る・運ぶ・使うという一連の流れすべでにこれまで以上のコストがかかるようになる。
コストがかかれば当然値上げせざるを得ない。

国民を苦しめるこの物価上昇こそが過去最高の税収を生み出したのである。

行き詰った日本の経済

金利を上げなければお金を借りられない(=新規国債を発行できない)。
さりとて金利を上げれば返済する利子が増える。

さらには中国が着々と軍備増強して台湾有事が迫っている。
これに対抗して日本はアメリカから武器を調達しなければならない。
アメリカはここぞとばかりに武器を売りつけてくる。
アメリカとしても円安ドル高の状態で武器を売ったほうが儲かる。

アメリカの多国籍軍需産業財閥に対して、「ちょっと勉強してや~」なんて言えるはずもない。
そんなこと言った瞬間、「取引終了」宣言されてしまう。

待ち受ける国家破産

私がここで言いたいことは、国家破産が起きるかどうかではない。
いつそれが起きるか、ということである。

いつまで延命できるのか。
それはわからない。
しかし一つ言えることは、「間もなくそれが起きる」ということである。

update 2026.1.4
since 2026.1.4

しんぐうネットTOP