中国の反スパイ法 | ||||
|
||||
反スパイ法とは? 2023年7月1日に、中国の習近平指導部が「国家の安全を重視する」という方針のもとで施行された法律である。 これによって、あいまいだと指摘されているスパイ行為の定義が拡大され、取締りのさらなる強化が懸念されている。 もともと中国には2014年に制定された「反スパイ法」があったが、今回、この「反スパイ法」が改正(改悪?)・強化されたのである。 これまでの「国家(=中国共産党)の秘密や情報」に加えて、今回、改正された法律では「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料や物品」を盗み取ったり提供したりする行為が新たに取締りの対象になった。 たとえば、公表されていない習近平国家主席の動向を探ったり外部に漏らしたりしたら取り締まりの対象となったが、今回はそれがさらに強化された形となったのである。 今回の改正によって、たとえば習近平の悪口を言っただけで、「国家の尊厳を貶す=国家の秩序を乱す→国家の安全と利益を損なう」という理由で逮捕されるということになってしまうのである。 つまり、国家(=中国共産党)にとって気に入らない言動が発覚したら、即座に違法であるとして逮捕・拘束されるということである。 さらには、改正された法律ではスパイ活動を見つけたら速やかに国家安全当局に通報しなければならないとしている。 スパイ行為によって国家の安全を脅かしたとされた場合、最高刑は死刑となっている。 実に恐ろしい法律である。 「反スパイ法」によって日本人17人拘束 2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、日本人がスパイ行為に関わったとして、日本政府関係者によると、2023年6月30日までに少なくとも17人が拘束されたという。 この恐ろしいところは、裁判が非公開で、どのような行為が法律に違反したのかを具体的に明らかにしていないことである。 たとえば、仲良くなった中国人と食事に行って、何気ない雑談の中で悪気もなく「共産党員って何してるの?」なんて言おうものなら、即座に捕まりかねない。 旅行に行って記念撮影したときに軍事施設や共産党施設が映り込んだり、たまたま共産党員が撮れてしまったときなどにも逮捕されるということもありうる。 「反スパイ法」の3つの狙い 改正「反スパイ法」を制定したのには3つの狙いがある。 ①至極まっとうな理由。 国家の安全にかかわること・政治指導部の動向あるいは研究機関や企業の機密事項を盗み持ち出すというまっとうな理由で逮捕されるのであれば、それはある意味当然である。 むしろこの件に関しては早急に日本も厳格な法律を制定しなければならないと懸念しているところである。 ②外交カード さきほども言ったとおり、もしこの法律によって逮捕・拘束されたとしても、その理由が明らかにされることはない。 そしてその最高刑は「死刑」である。 理由なき理由で1人・10人・100人と逮捕・拘束されたら、必ず外交カードに利用される。 「解放してほしければ尖閣諸島をよこせ」と。 ③情報収集 医療や半導体などの最先端技術の情報を集めるため。 いずれにしても、理由も証拠もなく逮捕・拘束できる恐ろしい法律が中国で制定されたということを、日本人はよくよく知っておかねばならない。 |
||||
|
||||
|
||||
|
||||
しんぐうネットTOP |